· 

会報誌  2023年9月号

7月14日~19日 北海道山行

 ほっかいどーはでっかいどー

  企画チーム M.E

 まだ見ぬ北海道の広大な大地に思いを馳せながらこれまでに幾度こ

のフレーズを口にした事でしょう。やっと憧れの地に降り立つことが

出来ました。


今回の山行は日本百名山を3座登ると言うことで、危険な場所は無いけどロング山行になりそうです。最初に登ったのは日本百名山ナンバー1番の山、利尻山です。1日の登高距離は約1,500mで大変ハードな山行でしたが途中から見られた沢山の可憐な高山植物に癒されながら12時間掛かって何とか無事下山出来ました。(疲れ果てた足は最後には生まれたての子鹿のようでしたが)翌日は1日掛けて旭川に移動し次の日には旭岳に挑戦です。 生憎の雨模様の中、山頂を目指すチームと花散策の二手に別れ、私は山頂を目指しますがガスがかかっていて視界が悪く、楽しみにしていた景色は見られませんでした。でも

「姿見の池」まで下って来ると少しだけガスが晴れ、登りでは見えなかったお花畑が一面に広がっており、ガスも相まってそこはまるで天国のようでした。(まだ実際には行った事はないですが…) 最後日はこの山旅のメイン、トムラウシ山です。(昨年のチームは山頂直前で断念の山でした) この日も朝から雨模様。登山道は田んぼのようなぬかるみで思うように歩けない中、何とか山頂まで辿り着きますが眺望はガスに遮られたまま。でもトムラウシの神様は私達を見捨ててはいませんでした。下山が始まると少しずつガスが晴れその雄大な自然が姿を現してくれました。先住民のアイヌの人々がカムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)と呼んでその美しさを讃えただけあって、高山植物群落の多様さとスケールは日本一で、さながら巨大な庭に咲き乱れる花々のように、雄大でとても美しい光景でした。山行時間は驚きの14時間半。最高歩行時間の記録更新です。 この様な花の季節に大変な思いをして企画して下さったリーダーと、一緒に旅して下さった皆様に心から感謝です。


 7月14日~7月19日の6日間、利尻山・旭岳・トムラウシ山を登りに北海道へ行きました。20代の頃に深田久弥の「日本百名山」に感銘を受け、「いつかは北海道の山に登ってみたい!」と考えていた私にとって、この山行は待ちに待った山行でした。

 

トムラウシ山からの眺望ガスの中の山頂でも特別な山でした (百名山No.1)

 

 

 カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)―アイヌの人々はこう言って 大雪山系の山々を称えたそうです。登る前は半信半疑でした、 実際に登ってみてその通りだと思いました。チングルマ、キバナ シャクナゲ、エゾツガサクラ、ゴゼンタチバナ、イワブクロ、コ マクサ…。どの山も写真を撮っても撮り切れないくらい何種類も の高山植物が咲き乱れ、幻想的で美しい風景が広がっていまし た。残念ながら天気には恵まれませんでしたが、決して麓では見 ることのできない絶景を実際にその場に行って見ることができと ても良かったと思います。 山行中は会長をはじめ参加者の方々に登山に関する様々な アドバイスを頂きました。この場を借りて改め て参加者の皆様にお礼を申し上げます。特に2 日目の利尻山において、膝の負担を和らげる下 り方を教えてくださったEさん。おかげさま で次の旭岳、トムラウシ山では膝を傷めずに無 事下ることができました。またご一緒する機会 があるときはよろしくお願い致します。  十勝岳、羊蹄山、羅臼岳…。北海道にはまだ まだたくさんの百名山があります。いつかこれ らの山々に挑戦できるよう、今後も登山知識の 習得はもちろんのこと、日々基礎体力作りに取 り組んでいきたいと思います。


7月22日~23日 赤水公園キャンプ

35年ぶりのキャンプ

会報編集チーム M.D

 私にとってキャンプとは、重い黄土色のテントを四苦八苦して周囲の木々に繋いで張り、薪や炭を使って飯盒でご飯を炊きカレーかバーベキュー、夜はキャンプファイヤー(私も火の女神みたいな役をやりたかった!)、いろいろ虫に刺されて帰る・・・といったものでした。そうです。私のキャンプの体験は35年前から全く更新されていなかったのです。

 そんな私があゆみに入会して2年。ようやくコロナの制限がなくなり、今回あゆみのキャンプに初めて参加させていただきました。もちろん、私のキャンプ観はことごとく塗り替えられました。軽くて色とりどりのおしゃれなテントを、会長から叱咤激励されながら次々と張っていきます。中には3500円のテントもありびっくりです。食事は卓上ガスコンロで素麺を作ったり、持ち寄ったものを温め直したり、とてもバラエティ豊か。キャンプファーヤーは禁止でしたが、Jさんの素敵なランプの灯りを囲んで気分もあがります。大自然の中ですから虫はたくさんいましたが、虫除けスプレーなどの虫除けグッズでそう刺されることもなく・・・・すべてに、隔世の感がありました。また、今回のキャンプではロープワークはもちろんですが「ココヘリ」の研修もありました。これもGPS機能などを利用した進化した安全管理でとても勉強になりました。

しかしながら、昔と変わらないのは仲間との交流です。様々な活動を通して、いつもよりたくさん協力しあったり、お話ししたり、笑い合ったりすることができ、とても楽しかったです。準備から後片付け、またご指導いただいた役員の方々には心から感謝しています。

 赤水公園は長崎から2時間足らずで行けて利用料もかからず、大村湾が見渡せる良いキャンプ場でした。今は禁止されているキャンプファーヤーもこれからの新技術でまた新しい形に進化して、可能になる日が来るかもしれません。そうなったら是非、進化した火の女神をやりたいものです。その時のために、ひとつひとつ経験を重ねて、修行を積んでおきたいと思います。


7月17日 宝珠山

超低山といえども侮れません

自然保護部長 H.I

 超低山シリーズの最初は宝珠山、稲佐山から渕神社の方向に下山するときに国旗が立っている所を見かけた方も多いと思いますが、そこが宝珠山の山頂です。参加された方の多くが「楽に行けそう」と思っていたようです。渕神社の周辺には、見どころも沢山ありゆっくりと散策した後、いざ登山開始。人のふみ跡はほとんどなく急な斜面をひたすら登ること30分。122mの山頂には、展望はないが国旗がはためき、手入れされた祠があった。下山時は、ルートを探しながらではあったが、急斜面には変わりなく、登山靴ではない人もいてちょっと怖い思いであった。登ってみての皆さんの感想は「最強の超低山だ、見る山だったが登れてよかったやっぱり山だったね。」等と、超低山と侮ることが無いようにという教訓となる山行であった。今後も行ったことがない超低山が企画されたら、しっかりと登山靴はもちろんそれなりの装備をして参加したいと思う。


7月29日~8月4日 南アルプス・中央アルプス

喜寿の記念山行、南、中央アルプス奮闘記

総務部 T.M

 やっと県外への山行が出来るようになり、今年の夏山は信州、中央アルプスの木曾駒ヶ岳、南アルプスの仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の三座の登頂に決まり、八十路、七十路それに類する七人の参加で、期待感一杯、不安感ちょっぴりでの出発でした。

仙流荘(南アルプス林道バスの発着場)にある広大な駐車場は満杯の状態で、かろうじて駐車が出来ました。私が20歳代のころの南アルプスは登山口までのアプローチが長いと敬遠されてきましたが、今では登山口の北沢峠はバスを利用し1時間で行くことが出来る。仙流荘に着いた日が土曜日とあって、甲斐駒ヶ岳や、仙丈ヶ岳に登る家族連れや老若男女で賑わい、臨時バスが出て私達もその恩恵にあずかり早く北沢峠に着くことが出来ました。峠では仙丈ヶ岳から下山してくる人の厳しい表情に明日の我が身を重ね気を引き締めたものです。初日の仙丈ヶ岳は、天気が良くても9時以降は雲が広がり視界が利かなくなると小屋のご主人の説明に、当初の計画より大滝頭から稜線を登ることにして出発しました。登山道は樹林帯からガレ場の連続で少しも気が抜けない歩きでしたが、高度を稼ぐうちに、北岳が見え、富士山が顔を出し、甲斐駒ヶ岳の後ろに八ケ岳連峰、蓼科、浅間山、登りの右手側に、北アルプスの霊峰を眺め、左側には鳳凰三山、北岳を筆頭に白根三山に塩見岳と次々に現れて元気を貰いました。

小屋の朝食が繰り上げ4時の効用を存分に堪能しながらも、足元は大小の石に足を取られ、急登もあって体

力消耗が激しい。小仙丈ヶ岳で一息入れて下りの岩場を慎重に下り仙丈ヶ岳に全員が立つことが出来ました。ここまで要した時間は6時間でしたが、北岳上空に現れた彩雲やアルプスの峰々などすばらしい景色を目に焼き付けることが出来ました。下りの馬の背コースでは、高山植物の宝庫と記述されていますが、シカの食害に遭い人の手が入って防護柵で保護する状態を作っていて何箇所か柵が設置されていました。その柵の中からライチョウが登山道に出て砂浴びをしだしたのには一同びっくり。親鳥2羽に子鳥4羽で足には標識がついていました。(この地ではライチョウの保護活動中)

 翌日の甲斐駒ヶ岳は、仙丈ヶ岳で12時間の歩きと仙水小屋まで1時間の登山道歩きで身体は悲鳴をあげていたので今回は駒津峰までと決め、仙水峠から駒津峰の岩場の多い急登を息絶え絶えに上っている時、追い越しの若者がここは地獄ですが天国が待っていますよと言い残して過ぎ去りました。駒津峰は確かにそのような所で、目の前にバーンと駒ケ岳の岩峰が迫り、地蔵岳のオベリスクがこんなにも身近にあって、富士山が仲良くその横にありました。昨日登った仙丈ヶ岳は大きな山塊を広げ、そこから双児山経由の北沢峠までは、木の根っこが絡むガレ場の急坂をひたすら下りました。木曾駒ヶ岳には、ロープウエイで千畳敷へ。千畳敷カールではもう秋の花が咲いていて、ウメバチソウが出迎えてくれました。宝剣小屋で手続きを済ませ、天気が崩れる前に宝剣岳に。一つ一つ岩場をクリアしながら山頂に登りつき皆さんの満足の笑顔~笑顔。宝剣岳を下り宝剣小屋を素通りして、次の目的の駒ケ岳山頂へ。そこにはもうガスがかかり展望は望めません。宝剣小屋に戻り一息入れた所で外は大雨になりましたが行動中、雨に遭わずに幸いでした、小屋から外を眺めていたらライチョウの親子が走り回っているのが見え、雨の中岩陰に身を寄せ合う親子の姿を写真に収めることが出来ました。

 私事ですが、2020年1月脊柱管狭窄症で手術を受け、また大きな山行は70歳までと決めていましたがこのように大きな山塊にまた足を踏み入れられたこと、喜寿の記念山行になりました。ありがとうございました。車を運転してくださった皆様お疲れ様でした。


天気に恵まれ大展望の山の上

 会長代行 K.K

 コロナ感染が少し落ち着いたのを機会に、南アルプス甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳そして木曾駒ヶ岳と宝剣岳を目指す企画に参加しました。遠方に出るのは昨年秋の東北、白神山地への山行に続いてのことです。白神山地山行で体力に少しの望みを感じたので、きついとは思いましたが行こうと手をあげました。マイカー1台に7人、男3人が交互に運転し新門司港から泉大津へフェリーの船旅、そして阪神、中央と高速道を走って登山口の北沢峠には二日目の午後到着です。フェリーは楽としても狭い車中での移動は高齢者にはこたえます。でも北沢峠は標高2030mですので平地との気温差が約12℃もあり涼しい木陰でした。山1日目の仙丈ヶ岳は標高3032m「南アルプスの女王」と言われていますが、標高差が1000mあり私の体力ではぎりぎりでした。天気が良くて稜線に出るとすぐ隣の北岳、明日登る予定にしている甲斐駒ヶ岳が目の前にあり、遠くには富士山の姿も見えて、南アルプスに来たなという実感でした。やっとたどり着いた頂上で人生最後の3000mになるかもとつぶやいていたら、母親と来ていた男児が6歳で初めての3000mと言うのです。頼もしい親子に元気をもらった頂でした。

この山は花が多いと言われていますが、時期が遅かったのか鹿の食害なのか感激するほどではありませんでした。この日は明日の甲斐駒ヶ岳に備えて北沢峠に戻り、仙水小屋(2140m)まで登って泊まりました。明日は体力や下山バスの時刻を考えると、甲斐駒ヶ岳頂上までは無理だとの判断で、途中の駒津峰(2740m)までで下山することに一致しました。翌朝は小屋の決まりで4時食事です。山登りでは早寝、早起きが普通ですが、体の一連のサイクルを合わせるのに苦労します。駒津峰までも急な登りで目の前を見上げるようなルートです。ここも苦労して登った後の大きな展望があって、山はやっぱり天気に恵まれることだなと思います。夕方になると雲が上がってにわか雨に合うことがありますが、次の日に登った木曽駒ヶ岳では20分ほどの差で雨に遭わずラッキーでした。遅かった人たちは雨具を着て小屋に入ってきました。この時は長く降らなかったので夜中には宝剣岳の岩峰の上に少し欠けたお月さんが輝き、駒ヶ根の街の明かりが見えました。今度の山旅は天気に恵まれたので仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳途中の駒津峰、宝剣岳、木曽駒ヶ岳に登ることができました。   稜線や頂上からは槍ヶ岳、穂高連峰などの北アルプス、甲斐駒ヶ岳から連なる南アルプスの全景、遠く浅間山や富士山などが展望でき良い思い出の山行でした。甲斐駒ヶ岳の頂上を踏めなかったのは残念ですが、高齢者の登山スケジュールには余裕が必要との教訓でしょうか