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会報誌 2019年4月号

今月は海外の山行報告も2件掲載しています。

 

37日 冷水岳とカワズサクラ

             早春の冷水岳を歩く       N・T          

 佐々インターを降りて冷水公園へと進む。登山道から景色を見ながら山頂の展望台へ、眼下に北九十九島の島々が点在している風景は美しく大変素晴らしかった。風が冷たく早々に下り「大観山」登山口を探す。今回は登山口を調査するのが目的で次回登ることにした。

車を移動し、この時期にしか食せないシロウオ料理を食べる、とても美味しかった。その後佐々川河畔の早咲きの「河津サクラ」を鑑賞する。

 満開のサクラが私たちを迎えてくれた。菜の花も咲いていて、川辺には多数のカモが群れていた。 近くには古川岳があり3月下旬から4月上旬に11種のしだれ桜が咲く光景は全国でも珍しいと言われているそうです。「しだれ桜祭り」にもきてみたいものですね。天気も良く楽しい一日でした。1年後「大観山しだれ桜まつり」、楽しむが増えました。今から予約します。ありがとうございました。              写真撮影 K

 

            香港の名峰4座登頂

   (馬鞍山・シャープピーク・鳳凰山・ライオンロック)    U・M

    2019220日(水)~25日(月)まで香港の山旅に行って来ました。                              

 香港といえば、林立するビル群の大都会というイメージにぴったりの超近代的都市ですが、意外なことに香港の総面積の約40%が郊野公園(カントリー・パーク)などに指定されており、国土に占める国立公園の割合は世界でもトップクラス。スコットランド出身のマクリホースは1971年より約10年間総督を務め、在任中に自身の名を冠した100kmに渡るロング・トレイルを完成。このトレイルが大変な人気を博したことからその後も3つのロング・トレイルが整備されたそうです

  自分の慢心を自然から諫められ、風の怖さを知った登山だった

2/21()登山 

   武骨な山容の馬鞍山(マーオンシャン/702m)は、天井廊下と称される尾根から絶景が 

  見事な山 

2/22()登山

   香港の名峰登山シャープピーク(468m)は、白い砂浜と青い海の奥に聳える美しい山容

  から香港を代表する名峰

 2/23()登山

   鳳凰山(ランタオピーク/934m)は、香港最高峰・大帽山(タイモウシャ/957m)が頂上 

  まで車道が通っていることから、香港では歩いて登る実質的な最高峰として人気。

2/24()登山

 獅子山(ライオンロックは九龍(カオルーン)地区の高層ビル群を眼下にする絶景の 

 展望ピーク

 今回の目的は、簡単な山、美味しい料理、観光が目的の遊び半分の気分で出かけた。1000m未満の山ばかりなので、最初から慢心していた。

 21日(木)は、日本人ガイド、スイス人ガイドと参加者9人で、西貢半島にあるマーオンシャン登山702m)。標高90m水浪より登山開始。香港随一の 人気を誇るマクリホーストレイルを進む。霧雨の中、樹林帯を過ぎると岩稜地帯、登山道に、土は殆どなく、岩山と石を敷き詰めた登山。道を滑らない様に黙々と修道僧の如く足元を見続けながらの非常に緊張した登山。登頂成功。もうすぐ下山という所で、後方で大きな音がした。石で滑って頭から落下。助け起こそうとした人も滑る。日本と全く違 

                  う山容だった。

 22日(金)は、西貢半島にあるシャープピーク登山468m)。昨日とうって変わって天気は晴れ。大浪湾の美しい海岸線を眺めながら、マクリホーストレイルを進み、浜辺で中華料理を食べゆっくりと休憩後再度登山開始。高度差が激しく厳しい登山だったので、途中リタイアする人が出た。高低差が厳しい三つの尾根を越え、頂上直下の急登を越え登頂。高層ビルが聳え立っている街並み、美しい海岸線が見える大パノラマに大満足。

槍ヶ岳かマッターホルンかとも思う様な美しく堂々とした山だった。

(写真はスイス人と日本人ガイドと共に)

23日(土は、香港第2の高峰ランタオ島のランタオピーク登山934m)雨。

外国の山に登り慣れている人達ばかりだったが、4人観光に切り替え、登山希望者

5人になってしまった。

勿論私は、登山希望。

香港の天候は、急変するし、強風が予想されるので風対策を十分にして出発する様にと登山ガイドから指示があった。最初から雨具つけての登山。霧雨で視界無し。

 樹林帯を過ぎると岩稜地帯。転倒したら大怪我になるので、一歩一歩足元を見ながら緊張しての登山。西側縦走なので登山途中リタイアしたくても出来ない。頂上まで30分という所で、人が立っていられないほどの強風にあおられる。今まで経験した事がない強風。私の体が風で吹き飛ばされそうになる。恐怖心が襲ってきた。風が肌を刺す様な痛さ。急激に手足が冷えてくる。手をグーパーしたり、足の指を動かしたりして体温低下を防ぐ。まるで雪山。「視界ゼロ。頂上では、もっと強風が吹くと予想される。ここで下山した方が良い」との判断で下山開始。強風の時は座り込み、風が弱まるのを待つ。ゆっくり起きて前傾姿勢で降りる。まるで「だるまさんが転んだ」と昔遊んでいた光景そのもの。降りていくにつれ風が弱まり、結構吹いている風も温かく感じてきた。無事下山。

24日(日)は、ライオンロック495m)登山。霧雨の中、山頂まで続く長い石段を登る。随分香港の山の歩き方に慣れてきた。振り返ってみると本当にライオンが咆哮している姿そっくりだった

香港の山では、山岳地帯の天候の急変、特に風の怖さをまざまざと体験させられた。

 それにしても北京ダックの皮パリパリしていて美味しかったなー

 

東南アジア最高峰 マレーシア・キナバル山(4,095m)への挑戦

                                    K・N

 

  数年前、東南アジア最高峰のキナバル山登山の映像をNHKグレートサミッツの放送で知ってからいつかこの山に登ってみたいとの希望が心のどこかに残っていてやっと今年2月実現する事ができました。誰か一緒に行く仲間がいないかと探したところ都合良く個人的な山仲間が数名集まったので私が所属する登山ツアー団体に申し入れをしました。でも先方からは経費節減をするためにツアーガイドは無しで私がその業務を代行すれば何とか催行可能との返事を貰い、海外登山ツアーではトラブルがつきもの、乗り継ぎ飛行機の遅れ、ロストバゲッジ、参加者の体調不良など心配すればキリがありませんが、それら問題点など発生しないことを願って要求を受け入れることで決定しました。

 催行決定となると先ずは勉強会の開始。キナバル山登山のDVDや資料を入手して全員に配布。“イメージトレーニングを積み重ね、登る山を知る事で先ずは50%目標達成。残りは何度か別の山に一緒に行き工程,装備品など含めコミュニケーションを図ることで不安を払拭し80%目標達成。残り20%は本人の足で登ることで登頂できる“この方法が柿木流の登山のやり方でこれまですべての高所登山で実施しています。7名のメンバーは福岡空港で落ち合い、期待に胸を膨らませて出発しました。現地での登山ガイドは英語のみですが、ツアーガイドは日本語ができるとの事でしたのでコタキナバルでの観光を含めた生活は何一つ不自由する事は有りませんでした。

キナバル山は2000年にマレーシアで初めて世界遺産に登録され、大小20のピークを連ねる連山の総称でピークの山はローズ・ピークと呼ばれています。最大200人/日、登山ガイドと同行する事が義務付けられています。オーバーユースで自然を壊さないよう国をあげて管理され登山者はすべてICタグで管理されており日本とは全く違うシステムです。驚くことにキナバル


山周辺には5,000種以上の植物が自生しておりキナバル固有種を含めおよそ

1,000種類のランが確認されているそうです。その他、世界一大きいラフレシアという花や食中植物のウツボカズラなど有名ですね?

 登山は一般的に1泊2日で計画され、私たちも同じような日程で登山開始1日目登高1,400mを6時間かけて高山病にならないようにガイドのペースでゆっくりと登り、約1時間毎に設置してある水洗トイレが完備されている休憩所で休む事ができ大した疲れもなく標高3,237mの山小屋に到着しました。この小屋ではトイレも水洗、シャワー付き、寝具は枕もシーツもバスタオルも洗濯済みの新しいもの。食事もブッフェスタイルで日本の山小屋とは全く違う設備、環境に驚きました。登山開始2日目、いよいよ登頂の日。朝1時半起床、軽い朝食を済ませ外気温は5.5℃チョットと肌寒い、ダウンを着込んで2時半暗い中をヘッドランプ の明かりを頼りに小屋を出発しました。雲一つない夜空で星がキラキラと輝きとても綺麗、登山ガイドさんからサザンクロス(南十字星)を教えて貰い一同感激。途中から岩場に差し掛かり太いロープが現れ安全に配慮してロープを頼りに歩を進める、でも斜面は緩やかで危険性は全く感じません。

少し明らんできた頃3,800mを通過、ここで富士山超えを体験し皆さんも残りわずかな道のりに最後の力を振り絞って頂上を目指して頑張りました。出発して約6時間、山一面の広々としたなだらかな岩のてっぺんにローズピークの山頂が見えてきて6時20分全員登頂!“バンザ~イ!”暫くして東の空から朝日があがり、全員で登頂の喜びと感激を分かち合いました。

 各々記念に残る写真をカメラに収め山頂滞在は約20分、心惜しんで下山を開始し驚くことに6時間掛かった登りは2時間足らずで山小屋に到着。いかに高山病を防ぐ為にゆっくり登山をしたかが伺えます。

遅い朝食を済ませデポしておいた荷物を整理して10時には入場ゲートに向け元気に出発。後は7つある休憩所で休みながら下山して13時半には入場ゲートに全員無事到着、全員で完登した気持ちをハイタッチで喜び合いました。メンバーから私に対し、大したお世話はしてなかったものの登頂に至るまでの私の気遣いに対して感謝の言葉を頂き、そこで私も気持ち良くキナバル山1泊2日の山旅の感動に浸ることができました。

 日本を出て5日目の最終日(帰国日)はレジャーアイランド(マムテック島)で海水浴を楽しみました。30代以降から全く海とは縁遠くなった殆どの参加者が最初は大して気持ちも乗らずに各々海水浴を楽しむ、でも時間が経つにつれシュノーケリングで色鮮やかな魚を見ると童心に返ったような歓喜の声を上げていました。また、海上ではパラセーリングで盛んに楽しんでいる海水浴客もいて、ガイドの薦めで我々も


挑戦する事になりましたが最初は怖がっていた女性軍も小さな子供達も楽しんでいるのを見て安心したのか全員人生初めてのパラセーリングにチャレンジする事になりました。ボートに引かれたパラシュートは上空に舞ったり、海上に降りたりと数回繰り返して僅か10分足らずのチャレンジにキャーキャー大声をあげて感動しきり。浜辺のBBQで美味しい昼食を済ませ5時間足らずの海水浴でしたが、海抜0mから4,095mのキナバル山頂まで登り下り?が激しいマレーシア6日間の山旅でした。

 参加者に感想を尋ねると先ずは天気が良く、全員登頂出来たこと、久々に童心に返っての海水浴で人生初めてのパラセーリングを楽しめたこと、熱帯地方特有の花を見たりドリアン、マンゴスチン、ランプータンなどの果物を食べられたこと、そして次へのチャレンジとしてスイスアルプスやキリマンジャロなどに挑戦したいことなど夢を多く語ってくれました。今回参加してくれたメンバー全員がこの山旅プログラム全てに大変満足出来た感想を伺い、誘った私も安堵の気持ちで次へのチャレンジを心に刻み帰国の途につきました。